今回のブログでは、社内イベントで実施した、『コンサル時代に教わった仕事ができる人の当たり前』の知見共有会の様子をお届けします。
来栖川電算の人材育成プログラム「ジャーニー」のメンバーがこの本から得た具体的な学びや、仕事への応用ポイントを中心に紹介します。
1. ジャーニーとは
ジャーニーとは、過去にブログで紹介した ジェダイ の後継にあたる、来栖川電算の人材育成プログラムです。
ジャーニーの目的は、受講者の皆さんが、来栖川電算のエンジニアとして求められるベースライン、すなわち「まずはこういうことができていてほしい」という水準に到達できるよう教育することです。社会人、そして来栖川電算の技術者として身につけてほしいことを、主に1on1を基本として教育しています。
2. この本を取り上げた理由
ジャーニーの課題図書として選定されたのは、『コンサル時代に教わった仕事ができる人の当たり前』です。
この書籍を選んだ理由には、以下のようなものがあります。
- 来栖川電算のエンジニアに求められる行動や思考が書かれている
- ジャーニーでメンバーに伝えたいことがほぼそのまま書籍化されたような内容の一致が見られた
またこの本には、読んですぐに内容を活かせるという良さがありました。
一般的に、仕事をする上で必要な「当たり前の行動」は、当たり前すぎたりして、わざわざ教えてくれる人が実はあまりいないことがあります。
この本はそうした基本が丁寧に書かれており、ジャーニーで取り上げられました。
3. どういうところがジャーニーメンバーに響いたか
書籍を読んだジャーニーメンバーからは、仕事の進め方やマインドセットに関する具体的な気づきや反省点が共有されました。
構造化・コミュニケーションの重要性
曖昧な言葉を使わない: 「すぐに」や「とても」といった形容詞や副詞を使わないことや、「らしい」を使わない点が印象に残ったメンバーがいました。曖昧な状態のときは、いま取り組もうとしていることを今一度見直すべきという気づきにつながったとのことです。
事実と主観を切り離す: 報告の際には、事実と主観を切り離して報告することの重要性が改めて確認されました。事実と主観が混ざると、無意識に「こうであってほしい」という願望が事実と乖離したまま入ってしまうためです。
言語化と構造化: 議論を円滑に進めるため、出⼒しようとするものを⾔葉に変換し、かつ構造化して、相手に淀みなく引き渡す「言語化」のプロセスが重要であるという気づきがありました。
会議や資料作成においては、全体像を伝えてから具体的な事象に入っていくという構造化の考え方が大切だと共有されています。
言葉の定義: マネージャーが最初にするべき仕事は、プロジェクトの言葉を定義することである、という記述に改めて言葉の定義付けの重要性を感じたメンバーもいました。
タスク管理とマインドセット
いきなり手を動かさない: ジャーニーメンバーの一人は、「いきなり手を動かさない」というフレーズが刺さったと述べています。これは、いきなり手を動かし始めて物事を進めた結果、大きく手戻りが発生する経験があるためです。
タスクとゴール、障害の想定: タスク実行の際、ゴール設定( 例: 良い精度を出す )はするものの、「障害の想定」をしていないという課題があることに気づいたという声がありました。障害の想定をしないと、問題が起こった際に沼にはまり、やめどきが分からなくなることがあるため、ゴール設定と障害の想定はやるべきことだと述べています。
TODOの考え方と休日の充実: TODOについて、実行できる単位まで分解するという方法論が注目されました。また、「今週なにをやれば、どこまでやれば自信を持って休日に入れるか」が、仕事人生を充実させるために大切だという記述に共感する声もありました。
価値を出すことへの集中: ジャーニーメンバーからは、価値を出すことに集中するべきという所感が出ました。自分が比較的得意な部分( 例えば「実装」 )に優先して時間を使ってしまいがちだが、なにがプロジェクトにとって価値を最大化させるのかを都度見つめ直すことが必要だと感じています。
頼ることを諦めない: マネージャーは人を使って、一人でやるよりも成果を出せるという考え方や、「人に頼る」ことも訓練であり、苦手だと感じても諦めないことが大事であるという記述が、ジャーニーメンバーの共感を呼びました。
4. 価値とはなにか
イベントの最後に「価値を出すことへの集中が説かれていたが、そもそも “価値” とはなにか?みなさんどう思われますか?」という質問がありました。
そこからまた議論が盛り上がったので、価値の考え方についての様々な意見を紹介します。
人の役に立つこと: 最も簡潔な意見として、価値とは「人の役に立つこと」であり、人の役に立って価値を出し、その対価としてお金をいただくという意見が示されました。
顧客とのすり合わせ ( 仕事において )価値を提供する上では、まず、顧客や提供したい相手と「何が価値になるか」をすり合わせた方が絶対に良い という点が強調されました。そのヒントは、相手の困り事にあるという意見も出ました。
精神的・感情的な側面: 価値はロジカルあるいは定量的に示せるものだけではない可能性もあがりました。仕事の価値とは、関係者( 顧客、仲間、先輩、社会など )に感情移入した時、その人が最も喜び、安心を得られることを実現することである、と精神的に定義する方向性の良さについて言及されていました。価値を受け取るのは人間であるため、人間が必ずしもロジカルに動くわけではない点も考慮すべきであるという意見もありました。
来栖川電算では、社員の教育にも力を入れています。
興味のある方はぜひ採用ページをご覧ください。