来栖川電算では、バータイムとして、毎週金曜の夜に飲み物を片手に気になるテーマを持ち寄って話す、社内交流を兼ねた社内LTの場を設けています。2026年5月29日のバータイムでは、「仕事の『あれ?』を聞いてみたい」というテーマで、それぞれが日々の仕事で感じる引っかかりを持ち寄りました。話は、ちょっとした違和感の共有から始まり、仕事のゴール設定、段取り、リマインド、締め切りの置き方まで広がっていきました。

今回のテーマは「仕事の『あれ?』を聞いてみたい」
この日のバータイムでは、特定の技術トピックではなく、仕事の中でふと感じる「あれ?」を集めてみる回になりました。
やったことに対して「そうじゃない」と言われた経験、後でよいと思っていたことの優先順位が入れ替わる場面、必要だと思えないまま作業を進めてしまった経験など、仕事の中で起きる小さなすれ違いが次々と共有されました。
最初の導入でも、依頼されたことをやって提出した時点では終わったつもりでも、相手にとってはまだ終わっていなかった、という例が挙げられていました。こうした話題は、一見すると個別の失敗談やモヤモヤに見えますが、少し掘ると「そもそも仕事とは何を達成することなのか」という問いに近づいていきます。
話題になったのは、仕事が止まるいろいろな理由
話の中では、「仕事が終わらない」だけではなく、「仕事が始まらない」という状態の重さも話題になりました。
たとえば、対外調整がうまく進まず案件が始まらない、必要条件を満たせず次の段階に進めない、予定そのものを忘れてしまう、といった話です。実際に、書類を提出した時点で安心してしまい、本当に必要だった「確認書を取得するところ」まで追えていなかった、という例も出ていました。実際の作業の問題というより、段取りや伝達や前提条件のところで止まってしまうことがある、という見方が共有されていました。
仕事のつまずきは、手を動かしている最中だけで起きるわけではありません。始める前、進め方を合わせる段階、関係者に確実に伝える段階でも起きます。そのため、単に「頑張って終わらせる」だけではなく、止まりやすい地点を見つけておく必要がある、という流れになっていきました。
仕事を完了させるとは何か、という話に広がった
その中で印象的だったのは、「仕事は花屋に注文することではなく、花を誂えることだ」という趣旨の話です。
手段そのものを仕事だと捉えると、依頼や作業をこなした時点で終わった気になってしまいます。しかし本当に見なければいけないのは、何を実現したいのか、どんな状態になれば完了なのか、という方です。
この流れから、WBS の考え方や、最小のゴールを先に置く発想にも話が広がりました。手順や解き方を先に固定するのではなく、まず成果物や到達状態を見ること。ごはんが必要なら「炊く」という方法に固定するのではなく、「調達できればよい」と考える、という例も出ていました。大きなものをいきなり完璧に作ろうとするのではなく、まずは成立する最小単位まで持っていくこと。そうした考え方は、職種を問わず仕事全般に通じる話として共有されていました。
実務上の工夫もいくつか出てきた
議論は抽象論だけでなく、実際にどう防ぐかという工夫にも及びました。
予定を忘れることを前提に、当日朝や直前にメンションでリマインドする。共有カレンダーや通知を使って、関係者の予定が流れるようにする。実際に、次回のミーティングが終わった直後に次回分のリマインドを予約投稿しておく、という工夫も共有されていました。締め切り直前に追い込むのではなく、早い段階で大部分を終える前提で動く。忘れやすい運用は、人の気合いに頼るのではなく、アラートや自動停止の仕組みに寄せる。
どれも派手な方法ではありませんが、「忘れない人になる」ことより、「忘れても破綻しにくい状態を作る」ことの方が実務では重要だ、という見方につながっていました。
こういうテーマをバータイムで扱う意味
来栖川電算のバータイムでは、技術そのものだけでなく、仕事の進め方や考え方もよく話題になります。
今回のテーマは、特定の職種や専門分野に閉じないぶん、それぞれの立場から具体例を出しやすい回でした。ちょっとした違和感から話し始めても、仕事のゴール設定、優先順位、仕組み化、最小ゴールの置き方といったところまで自然に話が広がっていきます。
技術文化というと、使っている言語やツールの話を想像しやすいかもしれません。けれど実際には、「仕事をどう捉えるか」「どうすれば完了に近づけるか」を日常的に話題にしていることも、その会社の文化の一部だと思います。