「心理師面談の運用」シリーズです💊
前回はこちら→心理師面談の運用 その17 双極性障害について①
今月の一言
10月に入り、一気に季節が秋に移り変わりました。
朝は肌寒いですが日中は汗ばむ気温の日もあり、寒暖差で体調に影響出ている方もいらっしゃるようです。
かなり乾燥する季節ですので、事務所では除湿機と加湿器を入れ替えました。
今月のコラム ~双極性障害について②~
今月も引き続き「双極性障害」について解説します。
双極性障害とは躁状態とうつ状態を繰り返す病気のことですが、同じ気分障害のうつ病とは発症してからの経過や基本的な治療方法が異なります。
他の精神疾患と同様に、はっきりとした原因は解明されていません。
ただし、二卵性双生児よりも一卵性双生児で一致率 (2人とも発症する割合) が高いので、遺伝的な要因があると考えられています。
どんな経過をたどるか
双極性障害では、「躁とうつの気分の波をなくす」というよりも「どうやって・どのように波をコントロールするか」ということが治療目標になります。
先述のように、背景に生物学的な要因も推察されるため、しっかりとお薬での治療を続けることが重要です。
治療せず放置しておくと、重症化したり、再発を繰り返したりしやすくなります。
再発を繰り返すと「ふつうの状態」の時が短くなって、1年に4回以上躁・うつを繰り返す急速交代型になる等、重症化を招くこともあります。
波のコントロールのイメージ。振れ幅を小さくすることを目指す。(画像はhttps://cocoromi-mental.jp/cocoromi-ms/psychiatry-disease/bipolar/about-bipolar/より引用)
双極性障害でも主体は “うつ状態”
うつ状態と躁状態を繰り返すといっても、その波が規則正しく来るわけではありません。
うつ病との違いとして躁状態に言及されやすいですが、実際には、双極性障害の方でもうつ状態である期間の方が長いことが様々な研究から分かっています。
(画像:https://www.smilenavigator.jp/soukyoku/family/familiar/より引用)
ちなみに、図には「混合状態」という凡例もありますが、これは簡単にいうと、(軽)躁エピソード中でありながら抑うつ症状も同時に見られる状態です。
例えば、「行動は活発だけど、嫌な考えばかり浮かんでしまい憂鬱な気分が続く」ような状態を指します。
このエピソード中は自殺リスクが特に高いことが知られており、慎重な対応が必要です。
長くなってきましたので今回はこの辺で。
次回は「双極性障害の治療法」について取り上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。