「心理師面談の運用」シリーズです💊
前回はこちら→心理師面談の運用 その14 うつ病について①
今月の一言
7月中旬に梅雨明けが発表され、弊社事務所のある名古屋市は毎日猛烈な暑さです…。
温度・湿度から算出される”不快指数”という指標がありますが、「快適に感じるのは8~16g/㎥」という目安を聞いたことがあります。
例えば、気温27℃、湿度55%の状態では不快指数=14.2g/㎥であり、体感的に過ごしやすい状態であるといえます。
夏場は昼夜問わず室温・湿度が高くなりやすいので、エアコンを上手く使用して過ごしやすい環境を整えていきたいですね。
今月のコラム~「うつ病について②」~
先月に引き続き、「うつ病」について解説します。
前回はうつ病の症状や基本的な対応について触れました。今回はうつ病と関連する他の疾患や、治療法について取り上げます。
うつ病・うつ状態を併発するその他の疾患
うつ病の診断基準は満たさない場合でも、うつ状態を引き起こしたり、関連が強いとされる病気は様々あります。
例えば、肥満や糖尿病など別の病気を持つ人は、うつ病になるリスクがそうでない人よりも高いことが知られています。
出典:国立精神・神経医療研究センター(2018)
また、抗がん剤治療等で使用されるステロイド剤の影響によって、うつ状態を呈する患者さんもいます。
あるいは、心の不調だと思っていたら、背景に甲状腺の病気が隠れていることがしばしばあります。甲状腺とは喉仏のあたりにある臓器ですが、分泌するホルモンのバランスが崩れると(甲状腺機能低下/亢進など)、うつ病と似たような症状が出ることがあります。
画像出典:https://www.kuma-h.or.jp/kumapedia/encyclopedia/detail/?id=252
この場合は原疾患の治療が優先されますし、反対に、うつ病に対する治療をしても改善が見込めません。したがって、背景に身体疾患が隠れていないか見極めること(鑑別といいます)が非常に重要になってくるわけです。
治療法
精神疾患のうつ病に話題を戻します。
主な治療としては、以下が挙げられます。
「休養」
特に治療初期は”しっかり休む”こと自体が治療になります。
「薬物療法」
SSRIやSNRIといった抗うつ薬が使用されます。
効果の発現まで数週間かかるため、医師の指示のもと決められた量を飲み続けることが大事です。
「精神療法」
認知行動療法、対人関係療法などがうつ病に対してエビデンスがあると言われています。
「その他の治療」
上記の治療を行ったものの効果が認められない場合や症状が重い場合は、ECT(電気けいれん療法)やrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)といった身体的治療が検討されます。
終わりに
長くなってきましたので今回はこの辺で。
次回は引き続き「治療法」について詳しく解説します。
最後までお読みいただきありがとうございました。