「心理師面談の運用」シリーズです💊
前回はこちら→心理師面談の運用 その34 PTSDについて①
今月の一言
年度替わりの時期で、社内では納品を迎えたチームがあるなどバタバタと1ヶ月が過ぎた印象です。環境や季節の変化で、知らず知らずのうちに疲れが溜まりやすい時期ですので、ふだんより意識して休息を取りましょう。
今月のコラム~PTSDについて②~
今月もPTSD(心的外傷後ストレス障害)を取り上げます。近年研究的にも臨床的にもホットなテーマであり、筆者も学び続けています。
トラウマ記憶とは?
前月のブログではPTSDの症状について説明しました。
フラッシュバックという症状にみられるように、トラウマは「記憶の処理の問題」と捉えることができます。
私たちの記憶は、通常であれば脳が自動的に処理しています。寝ている間などに長期記憶に転送されたり、忘れたりします。
一方で、つらい記憶は通常の処理が機能しない状態で取り残され、身体の生理反応とセットで保存されます(⇒予期せず記憶がよみがえるとフラッシュバックを起こす)。
治療法はあるの?
治療では、トラウマ記憶を適切に再処理し過去のものにする、イメージとしては「昔こんなことがあって、あの時は怖かった、でも今はもう大丈夫」と思える状態を目指します。
お薬のみでこうした状態にもっていくことは難しいため、専門的な心理療法(カウンセリング)が提供されることがあります。PTSDのためのガイドラインが作成されていて、エビデンスも積み上げられています。
・持続エクスポージャー(PE療法):安全にトラウマ記憶に触れ、トラウマの影響を受けた感情と認知を修復する。日本でも保険適応になっている。
・眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR):眼球運動(目を左右に動かす)や触覚(タッピング)による両側性刺激を用いる
今回はこの辺で。次月は「認知行動療法」について取り上げます。
最後までご覧いただきありがとうございました。